ANNA SUI、アナスイ ロングブーツの修理、フルコースです。

お客様のお気に入りの素敵なブーツ、

履けない状態になってしまい「何とかしたい!」とのことでご依頼をいただきました

 

ビフォーアフター、画像の大きさや角度が違い比較しずらいですがスライドしてみてください。

一見するとソール交換後に靴磨きを行っただけのように見えますが、

今回かなり手を加えています。

少々長いですが画像で順を追って解説していますので、

ざーーと最後まで読んでくださいね(^^)/

 

 

ウエスタンな雰囲気の素敵なブーツ。

筒部分に革で飾られている花や蝶、鳥、♡マークがとても素敵です。

お客様もとても気に入っていらっしゃるのですが、

内部の合皮の劣化や踵芯の崩れなどで履けない状態になってしまい、

何とか直したいとのことでご依頼いただきました。

 

今回の損傷個所、なかなか手強いです。

ザックリご説明しますと、

筒、内側の上部の黒い部分が合皮で劣化して破れていますので革に交換します。

ロングブーツ修理、靴修理

 

画像では分かりずらいですが踵芯が崩れてしまいヘロヘロ状態、

踵芯も新たに入れ替えています。

 

それでは、修理していきます。

まずは、どんどんバラしていきますが、

その際に革が切れたり裂けたりする可能性もあるので注意が必要です。

バラシの工程がとても重要。

 

手に持っているのが踵芯。

粉々になっています。

 

スポッと内側を引き抜きます。

 

黒い部分が問題の合皮部分。

劣化して縫い目から切れています。

 

踵部分の革に擦れて穴が開いていますので交換します。

 

作業の際、革に負担がかかるのでクリームでしっかり保革します。

 

元の素材から型紙を切り、

革を裁断します。

 

こちらを縫いまとめていくと。

 

このようになります。

 

次に合皮部分の交換です。

慎重に縫目をほどいていきます。

 

こちらも型紙を切り出し、

新たな革を裁断していきます。

 

まず両端を縫って筒状にします。

 

靴本体と合体させて縫付けます。

 

で、ひっくり返すと元々と同じ状態に。

さらに下部も合体させていきます。

 

全て合体して縫いまとめました。

内側に戻してあげると。

 

こうなります。

一通り靴本体の補修が済みました。

その他、バラシた状態でしか出来ない内側の補修を多数の箇所で行っています。

 

次に踵芯を入れ替えて木型を使用し靴の形に戻していきます。

元々は圧縮された紙素材でしたので耐久性を考慮し、

厚手の革を使用しています。

 

木型を使用して靴の形状に戻していきます。

 

踵芯の取付けイメージ。

 

踵芯と硬化剤を仕込んで木型にセットします。

革に張りを持たせるために引き込んで釘止めします。

 

踵芯を硬化させるために数日間寝かせます。

適度な張りを持たせることで革の表情が綺麗にでます。

 

ソールも全て新たに組んでいきます。

後々のメンテナンス性も考慮しつつ。

画像はヒールを積み重ねる段階です。

 

ソールを仕上げた後に、

丹念に磨き上げました。

 

革の艶感が良い感じです。

 

ソールは少しハードな印象に。

 

綺麗に仕上がったかと思います。

 

問題だった踵芯もカチッとしています。

 

合皮部分は無くなりましたので、

合皮劣化の心配は無くなりました。

 

お渡しの際、履いていただき問題が無いか確認。

とても喜んでいただいて安心しました。

素敵なブーツとてもお似合いです(^^)/

 

本日もありがとうございました。

 

日頃の靴のお手入れのご参考になれば嬉しいです(^^)/

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